「やっ、やだっ!」

思わず、パッと振り返って霧澤さんを見た。

でも・・・


「必要ねぇだろ?」

霧澤さんは、そう冷たく言い捨て路地を抜けていった。


「・・・っ」


その姿をみて、堪えていた涙が溢れ出す。

今までの楽しかった思い出が、次々と頭をよぎる。



ホントに、夢みたいだった・・・。


夢から覚めたら、こんなに辛くて、悲しくて、


心の中が空っぽだよ・・・。