「何、逃げてんだよ?」


いつもより低い声色。

機嫌が悪いのがわかる。

もちろん、私が逃げたりしたからだ。



私の返事を待たずに、そのまま路地裏に引き込まれる。



「仕事、忙しそうだな?」

「・・・はい」


私が霧澤さんに連絡をとるのを控えているから、ゆわれた言葉だろう。


どんなに忙しくたって、心につかえてる物がなかったら、連絡はするけど・・・。


霧澤さんの顔みれなくて、私はずっと俯いたままだ。


私、霧澤さんにゆわなくちゃいけないのかな。



もう、会ったりしないって・・・。