その数日後、仕事帰りに立ち寄ったカフェ。


中に入ろうと、ふいに後ろから声がかかる。


振り返ると、そこにいたのは神崎有紗だった。

「こんばんは、香坂結希さん」


「こっ・・こんばんは・・・」


なんだろ・・・私に話かけるなんて。

「ちょっと、ゆっておきたいんだけど・・・」

そういって、私との距離が狭くなる。


「悪いけど、琉希と別れてくれないかしら?」


「えっ・・・」


突然の提案に戸惑う。

ましてや霧澤さんと『別れる』だなんて・・・


もしかして、まだ仁くんとの事を怪しいと思ってるのかな?