「でっ?どうなった?」

「なんのことですか?」


そう返したが、なんのことかは分かってる。

霧澤さんとの事だ。


「ふーん、とぼけるんだ?」

「・・・」

私は無言を貫く。


そして、仁くんが抱きしめていた腕をゆるめたすきに、さっと身を引き距離をとる。


仁くんは、不適な笑みを浮かべて、そのまま離れていった。



そして、問題のシーンの撮影が始まる。