いつもより早く終わった撮影。


私は足早にカフェに向かう。

ホントは霧澤さんに話が聞きたいけど、どうやって切り出せば言いかわからない。


マスターにアポをとって、真っ先に向かっているのだ。


閉店後のステイシー。


扉を開くと、マスターか出迎えてくれる。


「久し振りだね、結希ちゃん!」


優しく笑いかけてくれるマスターに、私はすでに涙腺がゆるみそうになる。


「マスター・・・」


泣き出しそうな私に、マスターは驚きながらも、ゆっくりとカウンターに案内してくれた。