「だから早くアイツなんかやめて、俺の事みてね」


仁くんはそう言い残し、その場を離れた。

私は一人その場に残り、もう一度雑誌のページをめくる。


「神崎有紗」かんざきありさ

霧澤さんの隣に写ってる、女性の名前。


あれだけ素敵な霧澤さんに、今まで恋人がいなかったなんて思ってなかったけど・・・




こうゆう形で知る・・・とも、思わなかった。


頭の中を様々な憶測が駆け巡る。



ふと無意識に触れた左手に気付く。

撮影中だから、指輪はしていない。



こんなに不安になるなんて・・・


「怖いよ・・・」