ドラマの撮影が順調に続く中、仁くんのアプローチも次第に加速していた。


ホントにお邪魔虫程度だった私の役も、仁くんの監督や脚本さんへの声かけにより『相手にされない役』から『一回付き合ってみる役』にまで、のしあがっていた。


もともとのヒロイン役の女優さんは、気を悪くしているんじゃないかと思いきや、

「私の役柄が変わるわけではないし、視聴率が取れれば、別にいい」


と男前過ぎる意見だった。



そんなある日の撮影の合間・・・


「結希ちゃん、まだアイツと付き合ってんの?」

と、突然すぎる仁くんの質問にあう。


「・・・っ!」


私は思わず周りに誰もいないか、確認する。


「誰もいないよ。それくらい確認してから話すから」