霧澤さんは、私のリングがはめられた手を取り・・・


「この指に欲しかったのか?」

と、薬指をなぞる。


今さら、違いますと謙虚になっても言えず、

こくん

と、頷く。



その様子を見た霧澤さんは、少し口元に笑みを浮かべながら、



「そのうちやるから、我慢しろ」

といい、その指に唇を落とした。


「はいっ!」

私は、半泣きになりながら返事をした。



こんな素敵なバースデー、一生の宝物だよ。

ホントに霧澤さんに出会えてよかった。