よかった・・・この近くのホテルで。


指定された部屋の前に到着し、ベルを鳴らす。


ガチャリ・・・

「待ちくたびれた」

無愛想な霧澤さんが顔を覗かせる。



「ごめんなさい!!遅くなっちゃって!」

部屋に入った私を、霧澤さんはじっと見る。

「?」

なんだろ?私、へん?

でも、よく霧澤さんの視線を辿ると、私が抱えてる花束をみていた。


そして、


「やっぱりそれは、もらうよな・・・」

独り言を呟いた。