サァ・・・・

噴水の音が静かに響く。

その音とは違う足音に気付き、振り返る。


「あっ・・・」

一番会いたいのに、会ってはいけない人。

「霧澤さん・・・」

霧澤さんは、私の顔を除きこむように近付く。


「何、泣いてんだ?」

我慢したつもりだったけど、簡単にバレてしまう。

霧澤さんは手を伸ばし、私に触れようとする。


私は、とっさに身を引き、

「ダメですっ」

と、拒否する。


私の行動に特に反応せず、霧澤さんは口を開く。


「あいつに、何か言われたか?」