「受けとる訳、ねぇだろ」

霧澤さんは、そういって席を立とうとする。

「まぁ、待てよ。話を聞けば、嫌でも受け取るぜ?」

「なんだ?また水着だの、バンジーだの言い出すのか?」

「いやいや、もっとシビアだぜ?」

「ッチ・・・」


社長の意味深な発言に、霧澤さんは舌打ちした。

話を聞くと、今回は新作の腕時計の宣伝として私と霧澤さんが起用されるらしい。

その腕時計『カジュアル』と『オフィシャル』の2つのイメージがあって、それぞれ男女ペアで撮影するとのこと。


「まぁ、ここまではいいんだが・・・
結希がカジュアルで、琉樹がオフィシャルなんだよ」


残念・・・
一緒に仕事出来るかもしれないのに、ペアに慣れなかった。