「っ!!!」

私は、霧澤さんになんと後ろから抱きしめられた。


その瞬間、ホントに会場が吹っ飛びそうな悲鳴に包まれた。


驚きで目を丸くしたままの私は、肩を組まれ、ほぼ連れ去られるかのように、退場した。




「きっ・・・霧澤さん!」

舞台袖に入る手前、正気に戻った私。

思わず慌てて、名前を呼ぶ。


「あれで十分だろ?」


後ろからギュッは、サービスしすぎっ!


「私が困ります!!」

放心状態になってしまったし。


「後で、ねぎらってもらうからな?」


耳元で囁く。


ホントに、私も叫べるものなら、叫びたい。