それを肯定として受け取ったのか、男は更に目付きを鋭くして私を見据える。


それには流石の私も命の危機を感じて、思い切って口を開いた。


ナイフは首に食い込まずに済んだ。


「私、アラステアとか、そんなの聞いた事も無い!」


だから解放して、と必死に訴えるけれど、男は訝しげな顔をしている。


なんて分からず屋なのだろう。


若干苛立ち始めた私が再び口を開こうとすると、男はやっと私の首からナイフを離した。


とりあえず助かったって事かな?