学校指定の真っ黒な鞄から800字用の作文用紙とペンケースを取り出した。


更にそのペンケースの中からコンビニで買った黒いシャープペンシルを右手に持ち、作文用紙と向かい合うこと約5分。


「……無理だって」


早速、挫折。


机に突っ伏して、目に入ったのは分厚い本。


先週、市内にある図書館で借りて来たファンタジー小説。


勇者とその仲間達が世界を救うべく立ち上がるが、最後に勇者は命を落としてしまう。


悲劇の物語。


思っていたよりも面白く、一日で読み終わった。