「化けモノみたいだけど」


ククッと喉を鳴らして笑う男に、カーーーッと頭に血が昇る。


でも、確かに化けモノのようだった。


慌てて男に背を向け、両方のつけまつ毛を外す。


くそー。


変なタイミングで椅子を蹴ったアンタが絶対悪い。


「そのメイク、ホントに良いと思ってる?

それともアレか?

そのメイクより素顔の方がもっとひどいってことか」


ケラケラと後ろから高笑いが聞こえる。


人のメイクまでバカにしやがって。


見慣れてないだけでしょ?


こんなの東京の高校じゃ当たり前のメイクなのに。


だから、田舎って嫌いなのよ!