隆治は高校を卒業してからの4年間、ほとんど遊んでいなかったので、実はかなりの貯金があった。


加えて師匠からの退職金、隆治のお母さんが密かに用意していた学資保険、パン屋の売り上げ等もあり、改装のための初期費用をかなり工面することが出来た。


その改装と同時に、あたしと将来一緒に暮らすための生活スペースも一緒にリフォームすることになった。


こうして隆治の小さなパン屋さんは、立派なカフェへと大変身を遂げたのだった。


そのカフェがオープンしたのが、今年の春。


あたしはそれと同時に会社を辞め、隆治のお店を手伝うことになった。


そして、迎えた6月。


あたし達はようやく結婚式を挙げたというわけなのだ。


披露宴には、高校時代の友達のハル他数名。


東京からは、友子とマキ。


そして、お父さんが駆けつけてくれた。


隆治の方は、当然ながら右京君とサエちゃん夫妻。


お母さんに杏ちゃん。


そして…。



義理のお父さんも来てくださった。