「隆治。

もう仕込みの時間でしょう?

こんなことしてる場合じゃ…っ」


乱れた息遣いで隆治の手を払おうとするけど、隆治はあたしの手首を掴んで、いとも簡単に阻止してしまう。


「大丈夫。これを見越して起きてるから」


「で、でも隆治。

昨日の夜も…っ」


「夜は夜。朝は朝なのー」


「なっ。何それ?」


昨日の夜は確か、一度ならず二度までも…。


「朝日を浴びながらするのって最高。

だって、すずがすげー綺麗に見えるから…」


そう言われると、言い返す言葉を失ってしまう。


ただ今、6月。


朝日が昇るのが一年で一番早い季節。


その時間に合わせるかのように起きて、隆治はこうしてあたしを毎朝抱いてしまうのだ。


「すず…。綺麗だ…」


妖艶な瞳で見つめられると、キュンと胸が音を立てる。


二人で選んだ新品のこのダブルベッドで、あたしはもう数十回以上は軽く絶頂を迎えている。


ダメと言いながらも、今朝もあたしは流されて、隆治の優しい愛撫に身を委ねてしまうのだった。