「えぇーーーっ!」


あまりに突然のことに、二人は軽くパニックになっているようだ。


「なんでまた、急に島に引っ越して来たんねぇ?」


おばあちゃんの質問は止まらない。


「んー。だって俺、すずが元気になるまでなんて待てないから。

だったら俺が、こっちに来た方が早いと思って」


さも当然のように話す隆治に、二人はちょっと押され気味だ。


「八神酒店があるだろう?

あの家を俺、母親に譲ってもらったんだ。

俺、あの家に住むから。

これからずーっと、この島で暮らすから」


「え…?この島で…?こんな田舎なのに…?」


母さんが不思議そうに首を傾げる。


「うん。だって俺、この島がすげー好きだから」


隆治がにっこり笑う。


「仕事もこっちでちゃんと探すから。

だから、あの…。

キヨさん。おばさん」


隆治が急にかしこまったせいか、二人は咄嗟に正座をした。


「俺…。


結婚を前提に…。


すずと付き合ってもいいですか?」