「隆治。隆治…っ」


「すず…っ」


「夢じゃないよね?現実だよね?」


「うん。

夢じゃないよ。

もう絶対離さない」


隆治が力強く抱きしめてくれる。


あたしもぐっとしがみついた。


隆治が今、この島にいる。


夏に来てくれた時とは全く違う。


あたし達、ずっと一緒にいられるんだ…!


海からの優しい風が、あたしと隆治の周りを撫でるように通り抜けていく。


ひとしきり泣いたら、隆治はあたしをそっと離して、親指で涙を拭ってくれた。


隆治の大きな両手に頬を包まれたまま、二人でにっこり笑った。


しばらく見つめ合った後、隆治はゆっくりあたしに顔を近づけて、あたしの唇に優しく唇を重ねた。


潮の香りのする風を感じながら、あたしもそっと目を閉じた。


あたしと隆治は強く抱き合ったまま、優しいキスを交わした。


触れては離れ、触れては離れ。


お互いの感触をゆっくり確かめるように、いとおしむように…。


隆治…。


あたしの身体全部が。


隆治を好きって叫んでる。


隆治が好き…。


大好きだよ…。