「あんたにそんなふうに言われて、島に住む人間はどう思うだろうな。誰も歓迎しやしねーよ」


「あ、あなたねぇ!」


思わず声を荒げた。


黙って聞いてたら、えらそうに!


「何よ! 思ってることをそのまま言っただけじゃない!

遊ぶところも何もないんだもの。

明日からどうやって生活したらいいか、考えただけで気が遠くなるんだもの」


気がつけば、あたしは早口でまくしたてていた。


こんなこと言うつもりなかったのに、つい口が滑っていた。


「東京から来たヤツが言いそうなことだよな」


ケッという顔で、頬杖をつく男。


くっそー、ムカつく。


お前こそ何様なんだ。


もしかして町長の息子なのか?


「っていうかあんた、自分の顔を鏡で見てみたら?ひでー顔してる」


「は?」


男の言葉に鏡を覗くと、右目のつけまつ毛が半分ベロンと垂れ下がっていた。