「それなのにお前は、俺には何も連絡してくれなくて。

右京が教えてくれてなかったら、退院後にでも言うつもりだったんだろう?

いや。

きっと、入院していたことすら黙っておくつもりだったんだろう。

なんで隠すんだよ!

なんで…っ」


隆治の目に涙が溜まってる。


どうしよう。


こんなに苦しい思いをさせていたなんて…。


「だって…。

だって隆治に心配かけたくなかったの。

でも、かえって心配かけちゃったね…。

ごめんね…。

でも、ほんと。もう大丈夫だから…」


あたしがそう言うと、隆治はまたあたしをぎゅっと抱きしめた。


「お前っていつもそうだ…。

つらいとも、寂しいとも言わない。

遠距離の時もそうだった。

会いたいって言うのはいつも俺ばっかりで。

すずの方から言ったことはなかったよな…」


そう言われたらそうかもしれない…。


素直に隆治に甘えたことって、ずっとなかったような気がする…。