長谷川君がエレベーターへと乗り込む。


一緒に乗るわけにはいかないので、彼が何階で降りるのかを静かに見守った。


エレベーターが止まったのは4階だった。


それなら走った方が早いかも?


そう思った私は近くの階段から、4階を目指した。


急いで階段を駆け上がり、息を切らし4階に到着する。


パッと廊下に出た途端、心臓が止まりそうになった。


長谷川君とサエちゃんが、何やら深刻そうな話をしながら、こちらに向かって歩いて来ていたからだ。


私は慌てて、階段のところへと引き返した。


二人は次第にこちらに近づき、エレベーターの前で話をしているようだった。


私は壁に身を隠しながら、二人の話に聞き耳を立てた。


ところどころ聞こえなかったけれど。


どうやら誰かが手術をして、今集中治療室に入っているということ。


しばらく面会は出来ないから、数日してからお見舞いに来ようということだった。


サエちゃんが来ているということは、もしかして…。


右京君に何かあったんじゃ…?