今思えば、それは口実だったのかもしれない。


単に俺が、すずと話したかったし、すずに会いたかっただけなのかもしれない。


すずにいじわるしたり、毒を吐いたり。


昔のように接しているとすごく楽しかったし、やけに元気になれた。


すずの帰省に合わせて、じいちゃんの墓参りに行ったり。


気がつけば必要以上に、すずに近づいていたのかもしれない。


だけど、それで黙っているようなすずじゃなかった。


もう友達ごっこはやめようと言われて、ハッと目が覚めた気がした。


千春さんと別れられるか?と詰め寄るすずに。


俺は何も答えることが出来なかった。


浅はかだった。


すずを励ますつもりが、ただ自分の思いを満たすだけになっていた。


すずとの電話が切れた後、やけに部屋が静かで。


すずと二度別れたみたいで。


胸が痛くて。


ひどく痛くて。


その胸を押さえながら、激しく泣いた。