『正直言うと、よくわからない…』


「わからない…?」


『受験が終わったら会おうねって約束してたのに、受験前に突然電話が繋がらなくなって。

やっと電話が繋がったと思ったら、一方的に振られたの…』


「え?
じゃあ電話で別れようって言われたのか?」


『うん…。
だから、理由も何もわからなくて』


アイツ…。


「なぁ、お前さ…」


『ん?』


「高校の頃、隆治の自宅から一番近い駅へ行ったことがあるか…?」


『え…?

あ、行った。行ったよ!

一度だけ、高3の2月に。

偶然でも会えないかなって思って。

駅前から電話した時に振られたの。

でも。

どうしてそれを右京君が知ってるの?

隆治に聞いたの?』


思わずぎゅっと目を閉じた。


すずの言葉に、頭がクラクラする。


馬鹿だ。


馬鹿過ぎる。