「隆治。

千春ちゃんと別れられる?」


『え…?』


「千春ちゃんと別れて、あたしのところへ来れる?」


あたしの問いに、隆治が黙る。


そんなの答えはわかっていたから。


別にショックじゃないけど。


「無理なんでしょう?

だったらもうやめよう。

あたしに気がないなら、もう優しくしないで。

つらくなるだけなの。

好きになる一方なの。

もうこれ以上、あたしを苦しめないで!」


目から涙が勝手に流れていた。


電話で良かったと思った。


こんなひどい顔。


隆治には絶対見られたくないもの…。


『すず…』


「何…?」





『ごめんな…』