涙目になっているあたしを見て、千春ちゃんが目を見開く。


「えぇっ?チリドッグだった?

ウチは扱ってないんだけどな…」


「っていうかこれ、チリドッグのレベルじゃない。

ものすごく!

ものすごーく辛い」


舌がヒリヒリするし、汗が噴き出して来ちゃったよ!


「え~。おかしいなあ。

なんでだろう?」


千春ちゃんが首を傾げる。


りゅ、隆治のヤツ。


あたしが辛いの苦手って知ってて。


わざと辛くしやがったなーーー!


「だ、大丈夫…?

ごめんねぇ。

きっと何かの間違いよ~」


「だ、大丈夫だよ、千春ちゃん。

もう平気だから…」


これ以上騒ぐと千春ちゃんが悲しむと思い、あたしはもう何も言わなかった。


はぁと長いため息が出た。


隆治はあたしをからかって、面白がってるのかもしれないけど。


正直あたし。


全然笑えないよ…。


千春ちゃんの目の前で。


こんなこと楽しめるわけないでしょう…?


隆治…。


一体、何考えてるの…?