「はい、これ。今日のパン。

ランチにどうぞって長谷川君が」


そう言って千春ちゃんが、あたしに袋を手渡してくれた。


夏休みの間は一度も食べられなかったから、久しぶりにこのパンを食べるのは嬉しいけど。


でも…。


「どうしたの?すずちゃん。

食べないの?」


「あ、あぁ。食べるよ。
いただきまーす」


ガサガサと袋を開け、パンを取り出した。


「あ、珍しい。ホットドッグだ」


あたしはそのパンを一口かじった。


「どう?おいしいでしょ?」


あたしの言葉に期待してか、千春ちゃんが目をキラキラと輝かせる。


ん?


んん?


「どうしたの?すずちゃん。

顔が…」


「ち、千春ちゃんっ。

水とって。水!」


「えっ、水?」


千春ちゃんから水を受け取ると、あたしは一気にその水を飲み干した。


「ど、どうしたの?
喉に詰まった?」


心配そうにあたしの顔を覗き込む千春ちゃん。


「ち、違うの。

このホットドッグ。




すごく辛いーーー!」