「すずちゃん、久しぶりー」


大学の昼休み。


あたしは千春ちゃんからメールをもらい、食堂に来ていた。


「夏休み、どうだった?」


「あたしは母さんのところにいたの。千春ちゃんは?」


「私はほぼ毎日、店の手伝いだよー。
レジとか陳列とかやってた」


「そか…」


千春ちゃんの顔を見ると、申し訳ない気持ちになる。


夏休み、あたしは島で隆治に会って。


そして、朝まで一緒に寝た。


だけど、隆治にはその記憶は無い。


何もなかったと言えば、そうなのかもしれないけれど。


千春ちゃんを裏切ったようで。



なんだかひどく胸が痛かった。