次の日、隆治とあたしは朝食を食べると、早速お墓参りに出かけた。


少し遠い場所にあるというので、おばあちゃんに軽トラを借りて、助手席に隆治を乗せた。


あたしは大学1年の夏休みに免許を取ったけれど、隆治はこれまでずっと仕事が忙しくて、とてもそんな時間はなかったのだとか。


おじいちゃんのお墓は、うちのおばあちゃんの家から車で15分くらいの、少し小高い山の中にあった。


墓所に到着し、おじいちゃんのお墓を探すと、あたし達は早速掃除に取り掛かった。


「誰かが来てくれたんだな。花が供えてある」


「お盆に親戚の人が来てくれたのかもね」


古くなったお花と持って来たお花を取り替えると、あたしと隆治はろうそくに火を点け、お線香を手にした。


隆治が線香をあげ、手を合わせる。


「じいちゃん。なかなか来れなくてごめんな。

一周忌も三回忌も来られなくてごめん…。

あの人、親戚の目が怖いもんだから、知ってて来なかったんだ…。

やっぱり、俺だけでも来たら良かった…」


“あの人”と聞いて、胸がざわついた。


もしかして隆治は、未だにお母さんのことが好きじゃないのかな…。