「すずちゃ~ん。今日も可愛いねぇ。

そろそろ俺と付き合う気になった~?」


つ、付き合うだと~?


誰がじゃ!


まったくどいつもこいつも!


五十嵐の言葉で、あたしの中の何かがプチンと切れたような気がした。


「ちょっと、五十嵐!」


ガタンと席を立つと、五十嵐がビックリして身体を仰け反らせた。


「アンタさー、そうやって女の子のこと口説いて、落とした途端振るそうじゃない?

あたしのこともそうしようっての?」


あたしの言葉に、少し怯む五十嵐。


「まさか~。すずちゃんのことは本気だよ~。

すぐ振るはずないじゃないか~」


にこにこにこっと笑うその顔が、余計にあたしの神経を逆撫でした。


「あのさぁ」


「な、なに?」