久しぶりに島に戻ると、おばあちゃんと母さんが優しく出迎えてくれた。


夜はおばあちゃんと母さんお手製の美味しい料理を沢山食べて、次の日からは果樹園の手伝いが始まった。


まぁ、あの二人はあたしを甘やかしたりはしないので、当然なのだけれども。


島の時間の流れは緩やかで、懐かしい波の音を聴くと、すっかりリラックスしている自分がいた。


そんな島での帰省を楽しんでいたある日の午後のことだった。


果樹園の仕事も終わり、おばあちゃんと母さんと三人でお菓子をつまみながら、和室で寛いでいると。


「こんにちはー」


玄関に大きな声が響いた。


「お客さんじゃね。
うちが出るけぇ、座っときんさい」


そう言っておばあちゃんが玄関へと出て行った。