「あぁ…、ひとつ考えられるとしたら、隆治がこの前言ってたの。

すずには幸せになって欲しいって。

だから、自分が信頼している片岡君を薦めるんじゃないかなあ…」


あたしの言葉に、右京君が複雑そうな顔をした。


「幸せに…かぁ。

うーん。

アイツ、振ったお前のことがずっと不憫だったのかもなあ。

だから、夢でうなされてたのかも」


う、うなされるって…。


悪夢みたいで、なんか失礼だな。


「ーで、お前は?

もう隆治に未練はないわけ?」


痛いところを突かれて、ちょっとダメージを食らった。


「全然ないと言えば、嘘になるよ。

でも、もうしょうがないじゃない。

隆治には千春ちゃんがいる。

あんないい子なんだもの。

良かったって思ってるよ。

あたしも、隆治には幸せになって欲しいから…」


あたしの言葉に、右京君はなぜかちょっと切なそうな顔をした。


「似た者同士だったんだな」


「ん?」


「お前と隆治。

どっちもいいヤツ」


そう言われて、なんだかちょっと嬉しかった。