あたしがこんなことを言うのが意外なのか、みんながポカンとしてあたしを見ている。


「いいのよ、すずちゃん。いつものことなの。

この二人、私のこと顎で使うんだからー」


苦笑いのサエちゃん。


「何それー。六人分の飲み物を一人で買って来させる神経が信じられない!

右京君、自分の彼女でしょー?

手伝ってあげるとか、長谷川君に注意するとかしたらー?」


目をぱちくりさせていた右京君だったけど、急に顔の表情を緩めてクスクスと笑った。


「それもそうだよなあ。
いつものことだから、なんとも思ってなかった。
隆治、サエを手伝ってやってー」


「えっ?俺?お前じゃなくて?」


「俺は運転したし、クタクタなのー。はい、行ってらっしゃーい」


ひらひらと手を振る右京君。


隆治はあたしをギロリと睨むと、サエちゃんと一緒にしぶしぶお店の方へと歩いて行った。


全く隆治のヤツ!


信じられない!


「すずちゃん…」


腕を組んで怖い顔をしていたからか、千春ちゃんが遠慮がちに声をかけてきた。