「どうしてこんなに変わったんだよ。

全然お前らしくない。

どうして…。

どうしてこんな、力のない目になったんだよっ」


「隆治…?」


するっと、あたしの頬に右手を当てる隆治。


その感触に、一気に頬に熱が帯びた。


「やっぱり俺のせいなんだ。

俺が、すずをこんなふうに変えたんだ…。

ごめん。

ごめんな…っ」


そう言って、あたしをまた抱きしめる隆治。


言われている意味がわからなくて、あたしはそのまま身動きがとれなかった。


三年ぶりに再会した時、隆治はあたしに変わったと言った。


親友の友子も、同じことを言った。


そして片岡君も、あたしのことを悲しい瞳をした人だと言った。


自分では全然気づかなかったけど。


もしそう見えるのであれば、あたしが変わった原因は…。


やっぱり隆治なのかもしれない。


薄々わかっていたけど。


あたしは、ちっとも立ち直ってなどいなかった。


見て見ぬフリを、していただけだったんだ…。