次の日、あたしは初日同様7:10発のフェリーに乗った。


なんとなく、八神と彼女のツーショットを見たくなかったからだ。


自転車だったから、8時には教室に到着してしまった。


早いけど、まぁ仕方ない。


仲良くなった女子が数名来ていたので、その子達とおしゃべりをして楽しんだ。


しばらくそうしていると、ハルが後ろのドアから教室に入って来た。


おはよーと声をかけたものの、ハルはあたしの方は見ずに自分の席に座ってしまった。


何か様子がおかしいと思ったあたしは、慌ててハルの元へと走った。


ハルは目を腫らしていて、明らかに泣いた形跡があった。


これは何かあったなと察したあたしは、ハルの手を引いていつものようにベランダに出た。


「どうしたの? 何かあったの?」


あたしがそう言った途端、ハルの目にみるみる涙が溜まっていく。


「ちょっ、大丈夫? 森川君に何か言われたの?」


ハルはポケットからタオルハンカチを取り出して、オイオイと泣き始めた。


「き、聞いてぇぇぇ~、すずちゃ~ん」


すでに聞いてるよと思ったけど、それは言わずにおいた。


「昨日の夜、森川君に電話したの。

それでね、聞いてみたの。

最近、福田さんとよく話してるよね。

仲良いの?って…。

そしたらね…」


「そしたら…?」


あたしはゴクッと息を呑んだ。