顔をそのままに、視線だけ上に向けると。


「よう」


隆治が右手を上げて、あたしのすぐ目の前に立っていた。


「おはよ。あれ?千春ちゃんは?」


「それがさー、千春さんお腹が痛いらしいんだ。

多分大丈夫だから、後から合流するって言ってたよ。

だから、先に入場しててくれって」


「お腹痛いの?大丈夫かな…」


「薬飲んで様子見るって言ってたけど」


千春ちゃん、どうしたのかな?


久しぶりの遊園地に興奮しちゃったのかな?


その時、あたしのバッグと、隆治のポケットから同時に着信音が鳴った。


二人してスマホを開く。


メールの相手は、片岡君だった。


『友達の代わりに急遽バイトに入ることになって、遊園地に行けなくなっちゃったんだ。
この埋め合わせは必ずするから。
本当にごめんね』


「えぇーーっ?」


「ん?そっちにも片岡からメールが入ったのか?」


「うん。
うそー。もう、まじでー?
すっごいショックなんだけどー」


片岡君が来ないってことはよ?


3人で行動しないといけないってことでしょう?


むちゃくちゃイヤなんですけどーーー!