くるりと振り返ると、あたしのすぐ後ろに千春ちゃんが立っていた。


「あれー?初めて見るお友達だね」


「あぁ。実は彼女ね、他の大学に通ってるのよ。

高校の時の友達で、友子っていうの」


「そうなんだー。すっごい綺麗な人だねー」


「友子。こっちは後輩の千春ちゃん」


「初めましてー」


友子は綺麗な顔でにっこり笑った。


「すずちゃん。明日はパン食べる日だよね?

明日はお昼、一緒にしようね」


「うん。じゃあ明日」


「うん。明日ねー」


そう言って千春ちゃんは、食器を返却しに行った。


「可愛い子だねー。あんな子もこの大学にいるんじゃーん」


感心したように言う友子。


「あんた失礼だねー。うちの大学にだってねー、可愛い子や美人はいくらでもいるんだから」


「でも…さ、私。

あの子、どこかで見た事がある気がするんだけど」


「えっ?千春ちゃんを?どこで?」


「うーん。どこだったかなあ?後輩ってことは、一個下?」


「うん。そうだよ」


「えー、どこで見たんだろう。

同じ中学だったのかな…。

いや、違うなあ…」


友子がうーんうーんと首を傾げている。


正直、あたしはそんなことどうでもいいんだけど…。