やだ…。


あたしって、そんなふうに見えるの?


えー、でもあたし。


基本的に、すごく元気なはずなんだけど…。


「ねぇ、すずちゃん…」


「ん?」


片岡君はソルティードッグを口にすると、視線をあたしに向けた。


女の子みたいに綺麗な顔に少しゾクゾクして、あたしはゴクッと息を飲んだ。


「すずちゃんの過去に、何があったかなんて。

そんなこと言う必要ない。

だけど…。

これからは、僕に頼ってくれないかな?」


「え…?」


「すずちゃんって、あまり人に頼らないタイプでしょう?

頼ったっていいんだよ。

僕がちゃんと支えるから…」


そう言うと、片岡君はあたしの右手をそっと握った。