「えー。すずちゃんを振るなんて最低だな、そいつ」


片岡君の言葉に、あたしは首を横に振った。


「その人、途中で転校しちゃったんだ。

だから仕方なかったの。

高校生が遠距離なんて、難しかったのよ…」


「あぁ…、確かにね。

高校生で遠距離はきついよね」


田村の時みたいに、どうせ無理だとあきらめて、さっさと別れていたらよかったのかな…。


そうしたら、あんなに傷つくことはなかったのかもしれない。


待ってるって言ってくれた、その言葉を信じたのに。


これから先の未来があるって、そう思ったから。


それより何より、すごく大好きだったから。


だから受験勉強も必死に頑張ったし、身体だって…許したのに…。


それなのに、あんな終わり方って…。


「すずちゃん?」


片岡君が心配そうに、あたしの顔を覗き込んでいる。


「泣いてるの…?」