「ねぇ、片岡君」


「なに?」


「もう一人の友達の、長谷川君はどうだったの?

彼は高校時代、彼女とかいたの?」


少しお酒が入ったせいか、つい隆治のことを聞いてしまった。


「うーん。どうかな?僕は聞いたことがないよ。

僕ら3人集まっても、アホな話しかしてなかったからねー。

男同士なんて、案外そんなもんだよ」


隆治はあたしの話を、片岡君にはしていないのか…。


右京君は知っていそうな雰囲気だったけどな…。


「すずちゃんは?」


「ん?」


「すずちゃんはいたの?

高校時代に付き合ってた人」


そう聞かれて、胸がドクンと音を立てた。


「うん…。いたよ」


「すずちゃんくらいの美人ならいて当然だよねー。

ーで、その彼とは…?」


「高3の時に別れたの。振られちゃって…」


自分で言っておいて、なんだか胸がチクンと痛んだ。