「おーい。そろそろ代わってくれよー」


背後から、片岡君の声がする。


「長谷川ー。長いよー」


「悪い悪い。

お前のこと、ちゃんと売り込んでおいたから。

頑張れよ」


そう言ってぽんぽんと片岡君の肩を叩くと、隆治は千春ちゃんの方へ行ってしまった。


「えー、アイツ。

僕のこと、なんか言ってた?」


そう言いながら、さっきまで隆治が座っていた場所に腰掛ける片岡君。


「うん。色々言ってたよ」


「変なこと言ってないだろうなー」


片岡君の言葉に、あたしはクスッと笑った。


「いいヤツだから、前向きに検討してくれって」


「えぇっ?」


焦ったような声を上げる片岡君。


その様子がおかしくて、あたしはまたクスクスと笑った。


「あの…、片岡君」


「はい?」


「今度は、二人で会いませんか?」


「え?」