「なんか、りゅ…じゃない。

長谷川君、変わったね」


「ん?」


「落ち着いてるし、言葉も丁寧だし…。

千春ちゃんにも敬語だよね」


「あー、それはまぁ…。

千春さんは俺が尊敬する師匠のお嬢さんだし。

そう気安くは出来ないよ…」


師匠の娘、かぁ…。


自分が勤めている会社の、社長令嬢と付き合うような感覚なのかな?


「そっちこそ、変わったよな…」


「え?あたし?」


どういう意味だろう。


「なんか、痩せたよな。

顔色もあんま良くないし。

勉強のし過ぎとか?」


うっ。不健康に見えるってことなのかな…。


まぁ確かに。


採れたての新鮮野菜で作ったおばあちゃんの美味しい料理を食べていた頃に比べたら、あたしの今の食生活って、ひどいものがあるわよね。


「りゅ…。は、長谷川君は元気そうで安心したよ。

仕事もきちんと頑張ってるし、千春ちゃんみたいな可愛い彼女もいて。

おばあちゃんが聞いたら、きっとビックリするだろうな」


「おー、キヨさんか。

なつかしい。元気にしてるのか?」


「うん。相変わらず。すごく元気」


「それなら良かった」


隆治が優しい目で笑うから、なんだか切なかった。