「これからも…、食べて欲しいんだ…。

俺の味がイヤになったんだったら、しょうがないけど。

そうじゃないなら…」


「い、いやじゃないよ。本当においしくて、大好きだもん」


あたしの言葉に、驚いたように目を見開く隆治。


言った後で、後悔した。


だ、大丈夫だよね?


あくまで好きなのはパンだって。


ちゃんとわかってるよね?


「でも…。迷惑じゃないの…?」


直接じゃなくても、あたしと関わることになるのに…。


「迷惑なんかじゃない。むしろ、そうして欲しい…」


隆治は、本気でこの仕事をしているんだ…。


片岡君が言ってたよね。


隆治は仕事熱心だって。


千春ちゃんも、彼は仕事一筋だって言ってたし。


「じゃ、じゃああの…。

これからも、お願いします…」


「本当に?」


「うん…」


「そか。良かった…」


隆治は本当にホッとしたように、安堵の息を漏らした。