男の人と話すなんて久しぶりだし、ちょっと緊張していたけれど。


千春ちゃんの話を聞いて、すっかり気持ちが落ち着いていた。


むしろ楽しみでワクワクするくらいだ。


しばらくすると、入口を何度も振り返っていた千春ちゃんが、あっと声を上げた。


「到着したみたい」


千春ちゃんの言葉にあたしもチラッと振り返ると、お店の入口に背の高い男性が二人立っていた。


うそ、やだ。


遠目からだけど、なんか二人ともかなりのイケメンっぽい。


急にドキドキしてきて、あたしは正面に向き直った。


千春ちゃんはその彼に手を振っているようだ。


どうしよう。


あぁ、緊張する。


はぁと呼吸を整えていると。


「千春さん。お待たせしてすみません」


丁寧な口調の男性の声が背後で聞こえた。


「ううん。待ってないよ。どうぞ座って」


あたしが下を向いていると、男性二人は向かいの椅子に並んで座った。


「すずちゃん。紹介するね。


私の彼、長谷川リュウジ君だよ」