「ねっ。

そうしようよ、すずちゃん。

なんかほっとけないんだよー、私」


「千春ちゃん…」


「長谷川(はせがわ)君みたいな誠実な人には、きっと誠実な友達がいるはずだし」


「彼氏さん、長谷川君って言うんだ」


思わずクスッと笑ってしまった。


「うん、そうなの。

一番信頼出来る友達を連れて来るようにお願いしてみるから。

ねっ。

気軽に。

まずは友達から」


千春ちゃんがそこまで必死に言ってくれるから、あたしも少しその気になっていた。


「でもあたし。いきなり二人きりはイヤだよ?」


「そんなの当然だよ。

私も長谷川君も同席するからね。

それに私、ずっと前からすずちゃんに長谷川君を紹介したかったんだ」


「そうなの?」


「うん。絶対会わせてあげたかったの」


「え?どうして…?」


「それは、そのうち話すよ」


えー。なんだろう?


まぁ、いいか。


それだけ千春ちゃんは、あたしのことを大切に思ってくれてるってことなんだろう。