昼休み。


あたしは千春ちゃんと食堂でお昼を食べていた。


朝は慌しくてパン代を払えないので、いつもお昼に払わせてもらっている。


「ねぇ、すずちゃん。

前から思ってたんだけど、すずちゃんって彼氏とか作らないの?」


「えっ、なに?急に…」


「だってね。
すずちゃんほどの美人がどうして一人なのか、私の友達もみんな不思議がってるのよ」


ふんわりと柔らかそうな髪を揺らして、少し童顔な千春ちゃんが微笑む。


「うーん。

あたし、恋愛はちょっと、ね…」


思わず苦笑いすると。


「男の人が苦手とか?」


「あー、いや。

そういうわけでもないんだけど」


「友達に誘われたコンパも、全然行かないんでしょう?

お堅いってだけ?」


「お堅い…って。

まぁ、そうかもね」


思わずふぅと息を吐いた。