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「お父さん!早く起きてっ。遅刻するよ」


ガバッと勢い良く布団をめくれば、お父さんが猫のように身体を丸める。


「んー…。うぁ?

今、何時?」


「もう7時半だよ」


「えぇっ?」


ベッドから跳ね起き、パジャマのボタンを慌てて外し始めるお父さん。


「ごめん。あたしも寝坊しちゃったの」


「ちょっ、すず。

えんじ色のネクタイ知らないか?」


「えー?見かけてないよ?

また前みたいに、ベットの下に落ちてるんじゃない?」


「あー、もうどこに行ったんだろ!」


「もうっ。

ネクタイなんて、なんでもいいじゃん。

早く着替えなよー!」


あたしとお父さんの朝は、大体いつもこんな感じで騒がしい。