言いながら、ぽろぽろと涙がこぼれた。


大好きな人との会話なのに、こんなに苦しいなんて。


「隆治…。

な、何か言って…。

何かあったんでしょう?

あ、あたしじゃ力になれないの…?」


冷たい風がすり抜けて、耳たぶがヒリヒリする。


島とは違って、東京はひどく底冷えする。


携帯を持つ手も、すっかりかじかんでいた。


「言いたくないなら、言わなくていいの。

たけど、ひとつだけ教えて。

隆治。あたしには、もう会いたくない…?」


もうあたしなんか必要なくなっちゃった?


もう心の支えじゃなくなった?


もう…、あたしが好きじゃなくなった?


泣いているあたしを、通り過ぎる人がジロジロ見ている。


だけど、涙は止まりそうになかった。


「お願い。

声が聞きたいの…。

隆治の声が、聞きたい…」


隆治。


何か言って…。


お願いだから…っ!




その時だった。