時間はただ流れるように過ぎていき、あたしははぁとため息をついた。


マンションの部屋に一人で居るよりは、ここに座っている方が幾分気持ちはラクだけど。


何か状況が変わるわけではなかった。


あぁ…。


どうしてあたし、隆治の家の住所を聞かなかったんだろう。


どこの高校に通っているのかも知らないし。


それより何より。


隆治の新しい名字すら知らない。


そんななか、どうやって隆治を探したらいいの…?


しつこいと思われてもいいから聞けばよかったと、今さらながらに後悔の念に駆られてしまう。


あたしと隆治って、こんなに脆い関係だったの?


あたしが、うぬぼれていただけなの?


隆治の心に寄り添えるのは、あたししかいないって思っていたの。


あなたに一体、何があったのかはわからない。


何があったのか言えないなら、無理に言わなくてもいいから。


あなたの気持ちが知りたいの。


このままじゃ終われないよ。


隆治の本当の気持ちを聞くまでは…。