新幹線の車窓から、外の景色を眺める。


天気はあまり良くなくて、薄暗い雲が広がっていた。


どうして受験って、こう寒いシーズンに集中しているのだろう。


もっと暖かい時期なら良かったのに。


そんなことを考えた。




ホントだったら。


数日前のあたしのままだったら。


きっとこの新幹線の中で、隆治に会える喜びと興奮で大変だったんだろうな。


だけど今は、一体何のために東京に向かっているのかわからない。


隆治のいる東京に行けるのに。


ちっとも心が躍らない。


ただただ気が重くて。


受験をする意味すらわからない。




気がつけば、あたしは眠っていて。


いつの間にか、東京駅に着いていた。